”セイバーメトリクス”って何だ!?-投手編-【“JBSコーチングプロの技術ノート”第18回 】

「JBSコーチングプロの技術ノート」第18回は、前回に引き続きセイバーメトリクスについて解説します。

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打者編に続き、今回は投手の指標についてお伝えいたします!

1.先発投手の評価基準「QS」「HQS」


日本プロ野球において、先発投手の評価基準は「勝利数」が大きな割合を占めています。

しかし、先発投手の勝敗は、打者の打点と同様に外的要因(味方打線や守備の強さ、リリーフ投手の失点、相手投手の好不調など)が大きく影響してきます。

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メジャーリーグで広く用いられる先発投手の指標に、「QS(クオリティ・スタート)」 というものがあります。

6イニング以上を投げて自責点3以内に抑えた場合、QSが記録されます。

複雑な計算が必要なく、実用性が高いため分かりやすい指標と言えます。

 

しかし、6回3失点の投手と、完封した投手が同じ「QS」と扱われてしまうため、基準が大雑把であるという問題もあります。

これを補うのが「HQS(ハイクオリティ・スタート)」です。

QSの上位指標で、7イニング以上を投げて自責点2以内に抑えた場合に記録されます。

 

この指標により、好投したが援護に恵まれず勝利数が伸びなかった投手などが評価されることとなります。

いわば「計算できる先発投手」を見極める指標がQS(HQS)です。

 

 

2.投手の安定感を示す「WHIP」


投手の評価で重要視されるのが「防御率」ですが、必ずしもその投手のみの力を示すものではありません。

例えば、先発投手が走者を残して降板し、後続の投手が打ち込まれたりする場合、先発投手自身は点を与えていないにもかかわらず防御率は悪化してしまいます。

(逆に、リリーフ投手は他人が残したランナーを全て生還させても、自分が出した走者さえ返さなければ、打ちこまれたにもかかわらず防御率は良化します。)

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そんな問題点から、防御率には表れない投手の安定感を表す指標が「WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)」です。

 WHIP=(被安打+与四球)÷投球回

名前の通り、「1イニングあたり何人の走者を出したか」という指標です。

一般に、1.00未満は球界を代表するエース、1.40を超えると問題であると言われます。

 

 

3.純粋な投手の力を見極める「K/BB」


セイバーメトリクスでは、運や外的要因をなるべく排除し、個人の能力を数値化することが目的となっています。

投手の指標において、ほとんどの外的要因を排除した究極の指標が「K/BB」です。

K/BB=奪三振÷与四球

その名の通り、「1四球を出すまでに何個の三振を奪ったか」という指標です。

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奪三振と与四球は守備力や球場の広さなどの影響を全く受けません。

そのため、投手の限りなく純粋な力を表す指標と言えるでしょう。

 

今回は投手の指標を紹介いたしました。

個々の能力を表す指標に注目すると、防御率や勝利数では測れない投手の能力がより浮き彫りになり、隠れた好投手を発見することができるかもしれませんね。

 

次回の更新は、2016年9月28日を予定しています。お楽しみに!

 

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コーチングプロ  プロフィール

iwata岩田 賢祐(いわた けんすけ)
スポーツデータバンク株式会社
ジュニアバッティングスクール パーソナルコーチ
愛媛県出身。
大学在学中よりジュニアを対象としたスポーツスクールでコーチを務め、
2012年からジュニアバッティングスクール(JBS)公認コーチングプロとなる。
JBS市川校・足立校ヘッドコーチとして勤務し、第6回名球会杯では東千葉代表監督としてチームをベスト8へ導く。
現在はパーソナルトレーニングを中心にコーチングを行っている。